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資産を作る為に必要な『お金の置き所を考える』とは│学校じゃ教えてくれないマネーリテラシー講座


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将来のお金の不安。老後のためにもお金を貯めたいと思っている方は沢山いらっしゃると思います。

今回は、前回に続き子ども達にも正しいお金の知識を教えたいと活動されている金融教育アドバイザーの平井 希京(ひらい ききょう)さんにお金の置き所を考える事をテーマにわかりやすく教えて頂きました。

前回の記事はこちら

お金の置き所という考え方。

「前回、お金の置き所が大切という話が出ましたので、今回はそこをテーマにお話させて頂きたいと思います。」

「投資の有名な格言で、「卵を一つのカゴに盛るな」という言葉があります。」

「卵をすべて同じカゴに入れてしまうと、そのカゴを落としてしまったら全てが割れてしまうから。いくつかのカゴに分散して卵を入れる。もしそのうちの一つを落としてしまっても他のカゴの卵は割れない。という、分散投資の基本的な考えを表したものです。」

「例えば、前回から話に上がっている、預貯金に100%置いていると、インフレなどの危機が起こった時、ダメージは大きくなってしまいます。(インフレについては後ほど説明します。)」

「お金の置き場を分散する、ということを、アセットアロケーションといいます。アセット(資産)をアロケーション(配分)するということです。」

お金の置き所を理解するためのポイント1:インフレ(インフレーション)

「皆さん一度はインフレという言葉を耳にしたことがあると思いますが、何かというと物の値段が上がる事です。」

「例えば仮にりんごが1個100円の時に、10倍のインフレが起きると、りんごの値段は1000円になります‼」

「これだけ聞くと、りんご高いなー‼としか思わないかもしれませんが、インフレは物の値段が上がることと同時に貨幣の価値が下がることなんです。」

「どういうことか、りんご100円→1000円と物の値段が上がっても貨幣、100円は100円のままです。」

「つまり同じ1万円を持っていた時に、10倍のインフレ前は、買えるりんごの数は100個だったのに、インフレ後には10個になってしまうということです。同じ1万円なのに、貨幣としての価値はこんなに変わってしまうんです。」

「物価の上昇って普段意識しないことが多いですが、例えば皆さんにとって身近なインフレの例で言うと、知っているもので言うとポテトチップス。値段が大きく変わるというよりは、価格ほぼ変わらずですが内容量を減らしたインフレです。チップの量が段々減ってるんですね。」

「そういう視点で考えると身の回りでインフレを感じられる場面があると思います。昔と比較して振り返ってみると、物の値段って実は上がっていってる事はよくわかります。ただ、わからないようにジワリジワリ上がっているんですね。」

「日銀(日本中央銀行)も物価上昇率2%を目標に掲げており、21年度は1.6%の上昇率が見通されています。なので物価はジワリジワリ上がっている事を認識する事は必要です。」

“ゆでガエル”という話があります。カエルって熱湯に入れるとすぐ飛び出すんですが、水にカエルを入れてじわじわをお水を温めて熱湯にすると気がつかずに「ゆでガエル」になって死んじゃうんですね。」

「つまりお伝えしたいのは、日銀がインフレ率2%を目標にしていて未だ達成できてはいないけども、長期的に0.001%の預貯金においておくということは、じわりじわりインフレ負けしている。(ゆでがえる状態になる)ということです。」

「よって、お金の置き所として、利率0.001%の預貯金だけでなく、どれだけ低くても、物価成長目標2%以上の運用をする必要があることをご理解頂けると思います。」

お金の置き所を理解するためのポイント2:賃金が上がるよりもお金がお金を生むスピードの方が早い。

「そしてもう1つ押さえておくべきポイントなんですが、フランスの経済学者で「トマ・ピケティ」氏が、「21世紀の資本論」っていう分厚い本でとある調査結果を発表したんですね。」

「その分厚い本で言っている事はシンプルな事で「r > g」という公式なんです。「r」は資本収益率でお金がお金を生む率を、「g」は経済成長率で、所得の増加率を表します。シンプルに言うと、賃金の上昇率よりも、お金がお金を生む率の方が高いってことなんです。」

「普通に働くより資産運用の方が儲かるって事なんですね。」

「21世期の資本論では、g(経済成長率)は時代によって変化が激しく、2100年ごろには、r(資本収益率)は4〜5%、gは1.5%台になると推定されています。」

「つまり、日本の文化的に、”汗水垂らして稼ぐこと”が美徳という文化がありますが、これからは、“お金に働いてもらう”という考え方も取り入れるべきで、お金に働いてもらうことをした人とそうでない人との格差は、今後ますます開いていくということです。」

だからこそ『お金の置き所を考える』事は必要。

「これまでお話してきた通り、インフレによる物価上昇目標は、2%。長期的にみて現預金のままだと、貨幣の価値が目減りしていくこと。」

「21世紀の資本論によると、賃金の成長率は、お金がお金を生むスピードに敵わない。ということを考えると、なにかしらアクションを起こしていかなくてはならないのはお分かり頂けたと思います。」

「巷にはなんか儲かりそうな話がゴロゴロしています。そういったものに”取り敢えずやってみよう”と始めるのではなく、適切な手段を選びとるための”考え方”を、まずは、きちんと身につけるところから始めましょう。」

「この記事が初めて運用をしようと考えている、あなたの一助になれば幸いです。」

平井 希京さんの他の記事はこちら

専門家

平井 希京(ひらい ききょう)
金融教育アドバイザー。東カレ倶楽部公認インフルエンサー。ビューティージャパン東京グランプリ。ビューティージャパン2019 ベストキャリアアワード受賞。

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