更新日: 公開日:2019年11月27日
動作分析のプロ「理学療法士」とは? インタビュー:横手香菜さん
病院などで基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復・リハビリを担当する理学療法士という職業を知っていますか?
今回は、本サイトにシズリストとして参加していただいている理学療法士の横手 香菜(よこて かな)さんに、理学療法士の事、横手さんが伝えたい予防医学の事、横手さんが行っている活動の事を聞いてみました。
理学療法士は動作分析のプロ。
「そもそも理学療法士ってどういう職業なんですか?」
「病気や怪我によって体が不自由になった人に対して、社会復帰・自宅退院出来るように、体と心のケアも含めて、リハビリするのが病院での理学療法士の役割です。」
「例えば、自宅に帰るためにトイレに行けないと帰れない場合、トイレに行く動作の獲得が必要な訳です。トイレに行く為に歩くから歩行練習が必要で、立ってズボンを下すからバランスの練習も必要で、ズボンの上げ下ろしをするため手でズボンを持つ練習も必要で、座面に座るから座る練習も必要で。トイレに行く為にはこれだけの動作の獲得が必要なんですね。」
「それらの動作分析を含め評価をし、治療プログラムを立てて、治療しての繰り返しが病院での主な仕事です。」
「動作分析のプロって感じのお仕事なんですね。」
「そうですね。今は病院やクリニックだけじゃなく理学療法士の働き方も凄い広がっています。ちょっと変わった所で言うとミスコンのウォーキングの講師をされたりとか、地域に根付いて予防体操の講師などもしている人もいます。」
「私は現在は病院勤務では無く、メディカルフィットネスで高齢者の予防運動や施設訪問のリハビリなどを行っています。施設に入居されていても、運動したい方・自分の足で一生歩きたい方は大勢います。そして病院や施設に通えないって方もいらっしゃるんですね。なので訪問してリハビリを行ってます。後はアロマトリートメントもしてます。トレーニング後に癒しも含めてアロマトリートメントを施術し、血液・リンパの流れを促してすっきりしてもらってます。」
「基本的な知識がないので聞きたいんですけど、病院でリハビリをする人っていうのはみんな理学療法士なんですか?」
横手香菜さんは、理学療法士や予防医学の事を一般の方に伝える為に様々なメディア活動を行っている。
「いえ。他に、作業療法士と言語聴覚士という資格もあります。理学療法士っていうのは主に基本的な動作(歩く・立つ・座るなど)の回復のリハビリを担当します。作業療法士は応用動作(食事をする・料理をする・字を書く)など生活する上で必要不可欠な動作のリハビリを担当します。言語聴覚士は話す・聞く・食べるなどの機能に対してのリハビリですね。主に脳卒中患者さんが多いかもしれません。」
「理学療法士は国家資格ですよね。学校に行って勉強する感じなんですか?」
「そうですね。専門学校や大学に行って、実習に行って、卒業試験を受けて、国家試験ですね。」
「どういった勉強をされたりしたんですか?」
「最初は解剖学・運動学・生理学とかですね。骨標本を見て骨を覚えたりとか、筋肉の名前を覚えたりとか、神経の名前を覚えたりとか。覚えること多いですね。(笑)」
「私がなぜ理学療法士になりたかったかというと、スポーツが元々好きでスポーツ選手と関わる職業だと思ってたんですね。なので1年生の時は授業が医療用語すぎて私は医者になるのかと思いました(笑)」
なぜ予防医学を伝えていきたいのか。
「ビューティージャパン(キャリア重視したビューティーコンテスト)のプレゼンでもおっしゃってましたが、予防医学を伝えていきたいと思ったきっかけは何なんですか?」
「PT(理学療法士)を知ってもらうきっかけが怪我や病気になってからの人がほとんどなんですね。それが悲しくて。自分は理学療法士が天職で素晴らしい仕事だと思っているんですけど、こんな素晴らしい仕事が悲しい出来事があったから知ってもらうっていうのが、私は悲しいと思いました。」
「それに、既に怪我・病気になられた方に対してリハビリすることが多い仕事なんですね。でも怪我・病気になる前に出来る事は一杯あるんですよ。せっかくリハビリして退院できたのに、入退院繰り返す人も多いですし。なので予防医学の知識を皆様にもっと伝えていきたいと思いました。」
「そういう事も伝えたいから病院からメディカルフィットネスに移られたりもされたと思うのですが、やられている事は変わりましたか?」
「全然違いますね。前は疾患を持っている人に対してのリハビリのみだったんですけど、今は健康な方に対しての運動であったりとか。痛くなりそうな方へ施術するので予防リハビリみたいなものですかね。」
「病気じゃない方も通われているんですね。」
「そうですね。だから、来られる方は意識が高いんですよね。来てくれるっていうのは自分が気づいて行動をしてくれているので。自分は大丈夫だと思っている人が一番危険だと思っています。」
「なるほど。病気になる前に気が付いてほしいっていう事なんですね。」
「ですね。それをどうやって伝えていくのかというのが一番難しいと思ってます。自分の体をメンテナンスするのは若い内から必要なんですよね。体が健康でないと仕事も出来ませんからね。」
「身体に不調がないと健康になかなか意識しないですよね。」
「だから、異変を感じて来て欲しいんじゃなくて、異変を感じないように生活を送ってほしいですね。異変を感じたら遅いじゃないですか。異変を感じても自分で改善できるところまで出来たら最高ですけどね。」
「自分は健康であっても意識はして欲しいって感じなんですね。メンテナンスしないといずれ体を壊しちゃいますよって事なんですね。」
「そうですそうです。だからその人達に向けて、男子専科などでその人達向けにコラムを書いています。もっと一般の方に向けて予防を発信していきたいですね。」
予防医学の事を一般の人に伝える為に、男子専科などメディアなどでコラムなどを執筆している。
横手さんが行っている活動の目的とは。
「色んなメディア露出や横手さんが前に出て色々と活動されていますが、どういう目的があってされているんですか?」
「勿論、予防医学の事を伝えていきたいと思っているんですけど、私の活動を通して、同じ若手のセラピストに希望を与えられればいいなって思っているんですね。」
「私は1,2年目に辞めようと思った事があったんですね。私が担当した患者さんも全然良くならないし。一度、理学療法士が嫌になっちゃたんですよ。本当につらくて。」
「楽しさがわかる前に辞めてしまう後輩達を見てきたので。本当は楽しい・晴らしい職業なんだよっていうのも一般の方々もそうですけど、同じ若手セラピストにも知って欲しいってのがありますね。」
「理学療法士の良さってどういう所なんですか?」
「なんですかね。私は天職だと思っているので(笑)人とかかわる上でその人の人生に携われるじゃないですか。凄くないですか?初対面でもその人の人生の一部にかかわれるんですよ。なかなかそれってないですよね。だからこそ、真剣に向き合わないといけませんよね。」
「患者さんによっては大変な人もいると思いますし辛い仕事でもあると思うんですけど、喜びがあるって感じなんですね。」
「そうですね。理学療法士の楽しさや、素晴らしさ、やりがいを私が感じれるようになったのも私なりに努力してきたつもりです。まだまだ不十分ですが。患者さんに還元がわずかでもできるようになり、患者さんの笑顔をみたとき私は本当に天職だと感じました。多分、今辞めたいって思っている若手セラピストってまだセラピストの楽しさを理解しきれてない所とかもあると思います。そこで団体の話に繋がるんですけど、楽しく勉強して患者さんに還元できたらいいじゃないですか。」
「それが現在やろうとしているリハビリ専門職を集められた団体、「&Therapist」に繋がるんですね。」
「&Therapist」は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を中心にリハビリ専門職を集めたコミュニティ。主にセミナーの開催、交流会、療法士の認知度向上を目的に活動を行っている。
「そうですね。セラピストが楽しくが一番だと思うんですよ。私たちが理学療法士がどうしようーみたいな感じでリハビリをしていたら、不安になるし、良くならないし。だから、患者さんのためにも自分が楽しいほうが良いと思います。」
「だから、医療関係者向けのメディカルパーティーにも繋がるんですね。」
「そうですね。このパーティーの目的はメディカルをもっと楽しくっていう所なので。医療従事者って堅苦しいというイメージがあるみたいなので。でもイケイケな人がいるみたいな(笑)DJを回す人もいれば、ダンサーもいれば、歌を歌っている人もいればみたいな感じで。医療従事者だからって小さな枠に捕らわれなくてもいいんだよっていうのを伝えたいですね。」
メディカルパーティーは、医療関係者のみに限定したパーティー。出演者も全て医療関係者のみで揃えられている。
「これは医療従事者に対してのメッセージなんですね。横手さんの活動には二つ目的があるんですね。予防医学も伝えたいし、一緒に働く同志も応援したい。」
「そうですね。良い感じにまとめてくれましたね(笑)」
横手さんの今後の目標。
「今後の目標などありますか?」
「理学療法士の横手香菜を知ってもらうことですね。先程も言いましたが、予防医学と理学療法士を知ってもらいたいって2点が目的なので、私がロールモデルじゃないけど、楽しくこうやって働いてますっていうのを知ってもらいたいです。それが理学療法士にとって新しいメッセージになると思うので。」
「こんな楽しそうに働いている人がいるんだ。じゃあこの人が作っている団体ってどんな団体なんだろう、予防医学の方も横手っていう理学療法士がなんか言ってるみたいな。ならこの話を聞いてみようかなって思ってもらえたら嬉しいです。きっかけ作りになりたいですね。」
「入口は両方とも理学療法士の横手っていう人を知ってもらう事で両方にメッセージが出来るかなって思っています。やる事はただ一つで私が有名になるしかないんですけどね(笑)」
専門家
株式会社Healthy room代表。
健康美研究家。
理学療法士免許保有。
・ビューティージャパン東京大会2019男子専科賞
・ビューティージャパン日本大会2019モストインフルエンシャルオブザイヤー賞
・fincアンバサダー
・資生堂化粧セラピスト
・メディカルアロマインストラクター
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